[ベトナム]廃棄物処理、プラスチックごみの収集・廃棄
2021年2月15日に投稿された課題
投稿者:SHIP Secretariat
所属:SHIP
分野・テーマ:
- 廃棄物・汚染
場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:ベトナム 市町村:
関連SDGs
課題・ニーズ
ベトナムでは、急速な都市化に伴い、廃棄物の処理能力の低さが問題化しています。ベトナムの主要都市ではごみ処理場がすでに処理能力を超えていたり、処理場が深刻な汚染により閉鎖したりするなど、各地でごみ処理場が能力超過の危機に直面しています。
UNDP A-Labによれば、たとえばダナン市では、毎日900~1000tの生活ごみが排出されており、排出量は2025年には年間5,200万トンに増加すると予測されています。現在の処理能力は、質・量ともに廃棄物の増加量に追いつかず、埋め立て処分される廃棄物は全体の70%で、残りは焼却や不法投棄されています。また、収集率も都市部では85%以上ですが、農村部では40%~45%と格差があります。すでに受入能力を越えつつある埋め立て処分場では、約1700世帯の周辺住民が、悪臭が漂う環境での生活を余儀なくされ、住民が埋め立て処分場へ通じる道路を封鎖し、ごみ収集者の侵入を妨害するなど、ゴミ問題は住民と自治体の争いにも発展しています。また、不適切な廃棄物処理は、汚染物質の漏洩など、環境・健康上の問題を引き起こす懸念があります。
そこでダナン市では、廃棄物処理能力の改善に向けて廃棄物処理のシステムデザインと導入を検討しています。日本企業の技術で特に期待が寄せられているのは、プラスチックごみの削減に係る3つの技術です。
① プラスチックの代替包装材料の導入
サプライチェーン上流における対策として、プラスチックに替わる包装材を導入する事で、廃棄物とプラスチックの更なる蓄積を防ぐ効果が期待されています。
② 衛星や探査機による廃棄物の測定
サプライチェーン下流での対策では、衛星やドローンの画像などの新しいデータソースやテクノロジーを使用した廃棄物測定のソリューションが特に必要とされています。日本企業の技術導入によって、こうした新しいテクノロジーを使用した革新的な廃棄物の管理方法を確立する事が期待されています。
③ E-waste(電気電子機器廃棄物)の処理能力向上
最後に、電子廃棄物に対するソリューションです。電子機器のバッテリー電子廃棄物の収集と管理は、通常の廃棄物とは異なる処理技術を必要とし、正しい処理が行われない場合有害なものとなります。現在のベトナムのシステムでは、迅速に電子廃棄物を管理・処理するための設備が整っていないため、電子廃棄物の処理に関する技術導入も喫緊の問題となっています。
ベトナムの廃棄物処理に関する課題解決において、日本企業独自の技術が貢献できる可能性があります。
課題に関する考察・その他
出典
https://www.viet-jo.com/news/social/200716150921.html