[ウガンダ] 難民居住区における若者の失業率

2020年3月27日に投稿された課題

投稿者:Ayaka Kato

所属:UNDP

場所:地域:サハラ以南アフリカ 国:ウガンダ 市町村:ウガンダ北部 難民居住地

関連SDGs

課題・ニーズ

ウガンダにある南スーダン難民居住区では120万人の人々が暮らしているが、そのうち約65%(約80万人)に相当する人々が南スーダン出身である(UNHCR調べ)。南スーダンにおける戦闘の激化により、2016~2018年にかけてスーダンから隣国ウガンダへ多数の難民が発生したためだ。

難民居住地と言えば、簡素なテント生活などがイメージされるが、ここウガンダにある難民居住地区は、ウガンダ政府の独特の難民対応政策により、耐久性の高い施設がつくられ、長期間、難民が社会生活を営めるような恒久性のあるインフラが整えられている。そのため、長期に渡り滞在する難民が多くいるのだが、そんな中、とりわけ若者の失業率の高さが大きな課題となっている。

難民の多くは、メイズ(とうもろこし)や豆類、油などの食糧配布や衣料や日用品などの支援物資と、それらを物々交換したり、売ったりすることで得た現金を頼りに必要最低限の暮らしをしている。難民になる前は様々な職業や商売を営んでいた「その道のプロ」であるにも関わらず、これまでの知識や経験を使って働き収入を得るという、以前は「当たり前」だった生活の術が閉ざされているのだ。

また難民の8割は若い母親とその子供達であり、そもそも働き手となりえる男性の若者の比率も少ない。つまり、その少ない労働力を最大限活用するための「エンパワメント」が重要になっているのである。

UNDPも当該地域の若者の失業率改善のための具体的な取り組みを始めており、一定の成果は出ているが、それだけではまだまだ十分ではない。

若者、そして難民居住地全体を経済活性化するため、教育、トレーニング、ビジネス機会を創出するための包括的な支援などが喫緊に求められている。

課題に関する考察・その他

例えば、国連開発計画(UNDP)は、南スーダン難民居住区(ユンベ県、アルア県、モヨ県)において、若者向けに一時的な雇用機会を提供するだけではなく、収入を得た若者が持続可能な起業を実現するための取り組みを実施した。内容は、公共事業(植林や道路整備など)を通じて一時的な雇用を創出し、参加した若者のうち、希望者はさらにビジネス研修やビジネスモデルづくりに関する支援を受けることができるというものだ。今回の参加者1250人のうち、8割近い1066人がすでに小規模ビジネスを起業しているが、増え続ける難民人口や、その将来が見えない状況を考えると、まだまだ対策が足りていないのが現状である。

出典

https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/partnership-section/ticad/afriessay/05-Yoshimoto.html


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参考資料