[ブラジル] アマゾン熱帯林のCO2吸収力低下がもたらす更なるエコシステム崩壊

2020年3月13日に投稿された課題

投稿者:SHIP Secretariat

所属:SHIP

場所:地域:中南米 国:ブラジル 市町村:

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課題・ニーズ

研究チームの発表によれば、過去30年間の調査結果から世界の熱帯林が吸収する二酸化炭素の量は予想以上の速いスピードで減少していることが判明したという。90年代と比較すると3分の1程度その「能力」が落ちている、というのだ。また、その「CO2吸収力」の低下は、酸素の産出量の低下を表すだけではなく、森林そのものが二酸化炭素ガスの「源」と化す可能性すら示しているという。

研究者チームの一人リーズ大学サイモン・ルイス教授は「典型的な熱帯林は2060年代までに炭素源になる可能性がある」という。「我々が気候変動問題に関して最も憂慮すべき問題の一つが、既に始まっていることが判明した。これはこれまで言われいた悲観的な見解よりも、更に数十年早いペースであることを示している」

今年11月に英国グラスゴーで開催されるCOP26(国連気候変動会議)では、21世紀の半ばまでに世界の国々が「ゼロ・エミッション」に到達することを期待されているが、企業や国の施策の多くは、森林保護、植林、造林等、いわゆる「オフセット」活動によるものが多い。


同教授は「実際は(小規模な地域に対する"植林"等のレベルではなく)全世界と全事業者が、完全な”ゼロエミッション”を目指す必要がある。どんな些細な炭素ガスすらも地球上の大気から排除するくらいのレベルの施策が必要とされる」と言う。

地球の二酸化炭素を吸収し我々に酸素を与えてくれていた地球上の緑は、現状のような気候変動の課題や無秩序な伐採という人的脅威にさらされている限り、その本来の「機能」を更に低下させ、むしろ気候変動を加速させる存在になる―これまで地球が営み、生命を育んできたエコシステムが、崩壊の危機にあるのである。

この急速に進む深刻な地球規模の課題に対し、抜本的な解決につながるためのソリューションが、喫緊に求められている。

課題に関する考察・その他

出典

https://www.theguardian.com/environment/2020/mar/04/tropical-forests-losing-their-ability-to-absorb-carbon-study-finds

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