[コンゴ民主共和国] エボラ出血熱ウィルスの感染拡大を増長する諸問題

2019年7月16日に投稿された課題

投稿者:SHIP Secretariat

所属:SHIP

場所:地域:サハラ以南アフリカ 国:コンゴ民主共和国 市町村:

関連SDGs

課題・ニーズ

コンゴ民主共和国では、エボラ出血熱流行が宣言されて約1年が経つ2019年7月現在も、いまだに感染者が増えつづけている。

7月12日時点で発症患者2477人、死亡者は1655人を数え、流行は史上2番目の規模と云われており、また7月15日付けの国際メディア各紙は、大都市ゴマで初の症例が見つかったことで都市部での感染拡大への不安が広がっていることを伝えている。

エボラウイルスは空気感染はせず、感染者の体液や血液に触れることで感染すると云われ、感染拡大は死亡した患者の会葬時や医療器具の不足(注射器や手袋など)によって、患者の血液や体液に触れたことによるものが多いと云われる。患者の早期発見と隔離、医師による適切な治療とそのための施設、備品があれば拡大は抑えられるものと考えられる。

しかし感染拡大を加速している要因の一つに、同国民による医療機関や政府に対する不信感が挙げられている。エボラ出血熱のような症状がみられても、医療機関に行くのを拒否し、患者がそのまま自宅で死亡。そしてその会葬のために死者の体に触れた家族や周囲の人間が感染し、ウィルス感染者が増えるという悪循環が起こっている。また、宗教的、感傷的な理由から、死んだ家族を感染死亡者専用の埋葬地に埋めたくないとして、家族が遺体引き渡しを拒み、ウィルス除染活動の障害となるケースも見られている。

また、更に事態を難しくしているのは、国内の政情不安である。感染がひろがるエリアは紛争の最前線でもあり、現地の医療施設が焼き討ちにあったり、医療従事者が武装集団に襲われ命を落とすといった悲劇も起こっている。

コンゴが位置する西アフリカにおいて、史上最悪のエボラ出血熱感染は2014年のケースであり、当時1万1000人以上が亡くなったと云われている。過去の最悪記録を塗り替えないよう、一刻も早く拡大を未然に防ぐための、または、被害を最小限に食い止めるための解決策が求められている。

課題に関する考察・その他

出典

https://edition.cnn.com/2019/06/22/health/ebola-outbreak-congo-intl/index.html
https://www.theguardian.com/world/2019/jul/15/ebola-virus-reaches-congolese-city-of-goma

関連サイト

参考資料