[インド] ”災害級”と言われる大都市の危険な大気汚染
2019年11月15日に投稿された課題
投稿者:SHIP Secretariat
所属:SHIP
分野・テーマ:
- 気候変動
- 災害
- 保健・医療
- 衛生
- 廃棄物・汚染
- まちづくり
場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:インド 市町村:デリー
関連SDGs
課題・ニーズ
2019年11月、BBCの報道によれば、インド首都デリーの大気汚染がさらに悪化し地元政府の首相が「大気汚染が耐えられない水準まで達した」として、市民に外出自粛を要請し、通行車両のナンバーを制限するといった対策が緊急で講じられている。大気汚染は、恒常的な問題、時節柄の問題など、さまざまな問題が要因となっている。
デリーは世界の大気汚染ランキングでも常にワーストに入る都市の一つだが、今回の措置はそれがさらに悪化している状態を表している。デリー政府は、「大気汚染が耐えられない水準まで達した」として、市民、学校、交通機関などに対して規制や警告を発令することになった。
まず10日間、ナンバーの末尾番号で自動車の通行制限。学校は数日の臨時休校とし、公共施設やビルの建設工事も中止された。市民にも「(特に空気が悪くなる)朝や夜間は屋外での運動を避けるように」と呼びかけた。また特に汚染がひどい地区に立ち入らないこと、扉や窓を閉め切って屋内で過ごすよう等と細かい指示を出して市民に警戒するように呼びかけた。
大気中のPM2.5のレベルは急上昇し、呼吸器疾患を引き起こす恐れのある「有害」レベルに達しているという。大気汚染の原因は何なのか。
インドでは、一年のこの季節に焼き畑やわら焼きが行われる。広大な農地が一度に焼かれることで夥しい量の煙が立ち上り、雲となって都市を覆う。また同じ時期に行われるヒンドゥー教の祭”ディワリ”で人々が打ち上げる花火の煙にも大量の有害物質が含まれており、状況をさらに悪化させる原因となっている。常態化している車の排ガスや、工事や工場で発生する有毒ガスの上に、さらにこれらの時節的な現象が加わり、空気汚染が非常に危険な状態に陥っている。関係者によれば今回の大気汚染は「災害レベル」だという。インドの大気汚染問題は年々危険性を増している。
多くの住民の健康と命を脅かす大気汚染問題の対応策が早急に求められている。
課題に関する考察・その他
出典
BBC : "India air pollution at 'unbearable levels', Delhi minister says"
https://www.bbc.com/news/world-asia-india-50280390