[バングラデシュ] 難民の基本的生活を支える安全な住まいの不足

2018年11月19日に投稿された課題

投稿者:Ayana ADACHI

所属:UNDP

場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:バングラデシュ 市町村:南東部コックスバザール県

関連SDGs

課題・ニーズ

バングラデシュ南東部の県コックスバザールには、自国を追われ、バングラデシュへ逃れてきたミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ難民が避難生活を送っており、その数はおよそ100万人を超えるとされる。

現在、コサックバザールは世界最大の難民キャンプともいわれているが、この巨大な難民キャンプは過密状態であり、難民の多くは地盤の緩い斜面に建てられた防水シートと竹でできた掘っ立て小屋などでの生活を強いられている。

コサックバザールは、モンスーンの季節には降水量が非常に高く、年はサイクロンによる洪水や土砂災害が引き起こされ壊滅的な被害を経験している。加えて、そのような環境下では、難民キャンプへのアクセスも度々遮断され、支援物資を難民のもとへ届けることが非常に困難となる。そのため、コサックバザールで暮らす難民は、ミャンマー国内での迫害から逃れて難民キャンプに辿り着いたとしても、避難先での暮らしは非常に脆弱なものであり、人々は、住居の崩落や水害、また付随的に発生する食糧不足などへの恐怖や不安と隣り合わせの日々を送っていることが報告されている。

課題に関する考察・その他

ミャンマーから避難してきた難民の安全を確保することが最重要課題。これに対して国連が取り組む3つのアプローチ
1:キャンプ内で暮らす土砂災害や洪水の被害にあう危険のある人々の素早い避難先の確保である。モンスーン期の前に、人々を安全な土地へ移動させ、新たな居住施設を提供する支援は現在も行われているが、コックスバザールは丘の多い地形のため、人々を安全に移動させることが可能な土地が非常に限られており、また進行する地盤の浸食により活動がより困難なものとなっている。
2:コックスバザールへのアクセスの確保である。天候に左右され、難民へ支援物資が運べない現状の改善策として、道路や排水溝の整備や、橋や堤防の構築を行うことで悪天候でも難民に対して支援物資を届けるアクセスを確保することができる。
3:コサックバザールのインフラ整備である。万が一、土砂災害が発生した際に土砂を撤去し、洪水を防ぐための水路確保や、道路復旧のための重機の配置などの用意が必要である。しかし、これらの難民の安全を守るための活動には資金不足の問題があり、引き続き多くの支援を必要としている。

出典

http://www.afpbb.com/articles/-/3176395?page=1&pid=20166342,
http://ja.wfp.org/news/news-release/180508

関連サイト

参考資料