[全世界] 中国の資源ごみ輸入禁止に伴う廃棄物引受先不足

2018年9月20日に投稿された課題

投稿者:Yumiko KOZU

所属:UNDP

場所:地域: 国: 市町村:全世界

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課題・ニーズ

これまで世界の半分以上の廃プラスチックの処理を引き受けていた中国が、2017年末にその輸入規制を開始した。それにより先進国を中心とする廃棄物輸出大国が新たなリサイクル先の発掘や処理方法に苦心している。

最盛期の2015年には全世界で廃棄されたプラスチックの総量の3億トンのうち、88万トンが中国に輸出され、リサイクルされていた。その主な輸出国は、EU、アメリカ合衆国、次いで日本だった。輸入した廃プラを中国は資源として再生し、活用してきたが、2017年には廃棄物処理政策を一変させた。 中国国内に出た影響としては、それまで廃プラスチックを引き受けていたリサイクル業者が輸入先を失ったことだ。中国国内のリサイクル業者の約1/3は国外へ工場を移すことで規制を受けないようにするなどしている。

一方国外では大量の廃棄物処理を中国に頼っていた、日本を含む欧米の先進国が廃棄物の新たな引き受け先探しに苦心している。応急処置として東南アジアへの輸出が行われた一方で、中国同様に廃棄物輸入にかかる環境の悪化を懸念して、規制を開始する国々もではじめている。

課題に関する考察・その他

「廃棄物貿易」といえば特殊なカテゴリのように聞こえるが、一般的な貿易と同じように、輸出入先を一国に集中させているとリスクが伴う。多くの国が頼っていた中国が廃棄物政策を転換したことにより、中国国内だけでなく、地球規模の廃棄物処理問題に至るのが現代とも言える。そのような体制を見直し、一国に役割を集中させるのではなく分散させる必要がでてきている。

一方で、そもそもこのように先進国がリサイクル処理を中国に任せていたのにも理由がある。プラスチック廃棄物の処理は特に洗浄や分別が十分に行われておらず、その処理には手間暇がかかるためだ。液体が付着したままの廃棄物の選別は、機械に通す前に人間が目視で行っているのが現状だ。
また、この転換を機に廃棄物処理の議論も再開している。中国の輸入制限を受けて、EUは課税をはじめとする、別の道をすでに探っているが、加盟諸国からの反発も受けている。学者の意見も割れており、資源として活用するリサイクル処理のほかに、エネルギーに転換する焼却や処理技術の向上と開発を待つ、埋め立てなどの方法を支持する意見も存在する。

しかし最終的には、世界全体でプラスチックの使用量を少なくする努力は必須といえるだろう。

出典

https://wired.jp/2018/07/01/china-worlds-plastics-problem/

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参考資料