[全世界] プラスチックの利用による地球の汚染
2018年6月11日に投稿された課題
投稿者:SHIP Secretariat
所属:SHIP
分野・テーマ:
- 農業・漁業
- 生態系
- 天然資源
- 海洋
- 水
- 食料・栄養
- 廃棄物・汚染
- まちづくり
場所:地域: 国: 市町村:全世界
関連SDGs
課題・ニーズ
プラスチックによる環境への悪影響は、野生動物への被害のみならず、人へも深刻な健康被害をもたらす。
・世界で毎年5兆のビニール袋が使用されている
・毎年10万の海洋動物がプラスチックごみにより死亡している ・プラスチックが自然に還るには100年かかる
・世界で1分間に100万本のペットボトルが購入されている
プラスチックによる被害は大きく5つ挙げられる。
1.環境への影響 プラスチック利用のうち1/3が回収されずに放置されている。自然の中でプラスチックはなくならずに小さく分解され、100年またそれ以上残ってしまう。そして、その一部は人々の食物連鎖の中に組み込まれている。廃棄物管理やリサイクルはプラスチックを使用する上で不可欠である。
2.土壌への影響 プラスチックは主要な有毒汚染物質から成り、空気、水、土壌汚染などの環境への悪影響がある。
3.水への影響 毎年1,300万トンのプラスチックが海へ流れている。最も多い使い切りのプラスチックであるたばこの吸い殻、ペットボトルやボトルのキャップ、ビニールの包装紙や袋、プラスチックのストローや持ち帰り用の容器などが海へ流れている。
4.人への影響 プラスチックによる汚染の結果、魚や動物が有毒化し、植物連鎖を通り人への健康被害につながっている。
5.経済活動への影響 2050年までに世界中の海には魚より多くのプラスチックが泳いでいると言われている。プラスチック廃棄物による経済的被害は甚大で、プラスチックによる海洋生態系への経済損失は年間130億ドルという研究結果も出ている。
課題に関する考察・その他
プラスチックの使用については、消費者の意識改善とともに、政策や事業側の対策も求められている。
プラスチック廃棄物の排出量が多い世界のトップ20のうち、17か国がアジアの国々である(2010年の調査によると、1位中国、2位インドネシア、3位フィリピン、4位ベトナム、5位スリランカ※詳細は関連サイトご参照)。
例えば、シンガポールで行われた調査によると、人々がプラスチック製のストローを使用する最大の理由は、「飲料を購入するとついてくる」(62%)からであった。また、80%以上のひとがストローの使用を望んでおらず、またプラスチック製ストローの代替品を望む人も80%を超えたという数字がある。
2018年6月には、欧州委員会よりヨーロッパの海洋ごみの70%を占める、10つの使い捨てプラスチック製品(綿棒、カトラリ-、皿、ストロー、マドラー、風船の持ち手等)と漁具の使用に関する新たな規制の提案書が発表された。具体的には綿棒、カトラリ-、皿、ストロー、マドラー、風船の持ち手等へのプラスチックの使用の禁止、食品容器やコップへのプラスチックの使用の削減、2025年までに使い捨てペットボトルの90%の回収を実現する等が含まれている。
このように、プラスチックの消費習慣の変更や代替品の普及など抜本的かつ長期的な取り組みが重要である。
出典
http://www.responsiblebusiness.com/news/africas-news/world-environment-day-2018-five-harmful-impacts-plastic-pollution/
関連サイト
https://marineplastic.net/responses/seattle_plasticstraw_ban
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-18-3927_en.htm
http://science.sciencemag.org/content/347/6223/768/tab-figures-data