[全世界] 途上国に住む障がい者の貧困

2018年4月25日に投稿された課題

投稿者:SHIP Secretariat

所属:SHIP

場所:地域: 国: 市町村:全世界

関連SDGs

課題・ニーズ

 2011年の世界保健機構(WHO)の発表によると、世界人口に占める障がい者の割合は約15%。その8割が開発途上国に住んでいるとされ、これらの人々は、教育・保健・労働などに参加する機会が保障されていないため、貧困に直面している。現在では、障がい者の人権を守るだけでなく、開発プロセスに障がい者が受益者・実施者として参加すること(障害インクルーシブな開発)の重要性が認識されている。 途上国では、重度障がい者の場合、地域の目を避けたい親が家に閉じ込めるというケースもあるので、障がい者の実態を完全に把握して、彼らの真の自立を実現するは簡単ではないという現状もある。

課題に関する考察・その他

 日本は「自立生活センター」(障がい者が主体となり、介助サービスや相談業務など障がい者が地域で生活するために必要なサポートを提供する機関。日本全国に127ヵ所ある)のアジア諸国、中南米での設立・運営を長年支援してきた。現在、JICAの草の根技術協力事業を通じて、「全国自立生活センター協議会」(JIL)が南アフリカでセンターの設立・運営を支援している。センターの設立は、障がい者の社会参加を促進するだけでなく、障がい者の視点から社会の様々な課題が特定され、その結果が公共事業(バスがバリアフリー化するなど)やビジネスの実現につながる。南アフリカを起点に、今後JILは全米自立生活センター協議会(NCIL)とも連携しながら、アフリカ広域で自立生活センターの設立とネットワークづくりを進める予定。
 このような動きにおける民間企業の参画も期待されており、障がい者が必要とする機器や設備の販売、メンテナンスのための現地人材の育成などの事例も出てきている。

出典

「国際開発ジャーナル」2018年5月号

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参考資料