[アフリカ諸国] 稲作技術の向上と稲作セクターの産業化の必要性

2018年4月3日に投稿された課題

投稿者:SHIP Secretariat

所属:SHIP

場所:地域:サハラ以南アフリカ 国: 市町村:アフリカ諸国

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課題・ニーズ

 アフリカ諸国の都市部では、調理やしやすく栄養価が高い、コメが主食となりつつある。 2008年の「第4回アフリカ開発会議」(TICAD IV)で提唱され、JICAと「アフリカ緑の革命のための同盟」(AGRA)が中心となり、アフリカ23カ国と11の支援機関が参加して、「アフリカの稲作振興のための共同体」(CARD)が結成された。これまでの10年間で173件のプロジェクトが実施され、「コメのアフリカでの生産量倍増」という目標は達成できたが、急増するコメの消費量に追いついていない状況。例えば、セネガルでは2000年代初頭、国民1人あたりのコメの年間消費量が日本を上回る74kgだったが、コメの需給率は約20%だった。シエラレオネは、現在、国民1人あたりのコメの年間消費量が100kgを超えるが、コメの自給率は低く、年間約30万トンを輸入している。モザンビークでも半分以上を輸入米に依存している。

 また、アフリカ諸国では、稲作の機械化、大規模化などの技術面や農家の組織化などのガバナンス面で未熟な部分が多い。アジアで実現したような、稲作における官民の連携を促進するとともに、稲作セクターを産業として成り立たせる必要もある。

課題に関する考察・その他

「アフリカの稲作振興のための共同体(CARD)2」では、「農家の生計、生活向上のための営農体系構築」というアプローチをとり、コメを換金作物として市場に出荷し、価格と品質で輸入米との差別化を図る計画。そのためには、小石が混入したり、破砕したりしない、精米技術の向上も必要。ただし単純にコメを増産し、土地利用のバランスが崩れると、気候変動が起きると食糧危機になる恐れがあるので注意が必要。

出典

「国際開発ジャーナル」2018年4月号

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