[インドネシア] 多様な伝統的食文化の喪失と小規模農家の貧困
2017年12月21日に投稿された課題
投稿者:Yosuke SAITO
所属:UNDP
分野・テーマ:
- 農業・漁業
- 食料・栄養
- 技術教育・職業訓練
場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:インドネシア 市町村:インドネシア全土
関連SDGs
課題・ニーズ
インドネシアは本来多様性に富んだ伝統的食文化を有しているが、近代的なライフスタイルが普及し、大量生産された格安の食材が市場に流入するにつれて、インドネシア固有の伝統食材(米・コーヒー・スパイス・ハーブ・トロピカルフルーツ等)が価格競争に負け、姿を消しつつある。たとえば、1960年代のインドネシアでは、7,000種類の米の品種が存在したが、いまではその多くが人々から忘れ去られ、多くの消費者は数種類の米の中から購入することが当たり前になってしまっている。
また伝統食材の多くは、昔ながらの伝統的な自然農法で、小規模農家によって生産されたもので、オーガニック製品としてとてもポテンシャルがあるにも関わらず、小規模農家は市場からは遮断された状況にあり(インドネシアは1,000もの島々で構成される島嶼国家であり多くの小規模農家が物理的にも隔離された状態にある) )知識に乏しく、貧困にあえいでいる。
課題に関する考察・その他
生産から流通、ブランディングまでの一連のバリューチェーンを再構築することが求められる。農家はインドネシア全土に点在するが、生産する製品はいずれも小ロットであるので、集荷・安全品質管理拠点をどのように構築するかが大きな課題の一つである。また、インドネシアの伝統食材の魅力についてどのように消費者に伝え、新たな顧客を開拓していくのかという点も十分に考察する必要がある。
出典
Guardian
https://www.theguardian.com/sustainable-business/2015/jun/24/beyond-organic-promoting-indonesias-indigenous-farming-cultures