[ミャンマー] 慢性的な渋滞による潜在的な経済損失
2017年12月19日に投稿された課題
投稿者:Kazuki MIYAZAKI
所属:UNDP
分野・テーマ:
- 雇用・労働
- インフラ・交通
- まちづくり
場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:ミャンマー 市町村:ヤンゴン
関連SDGs
課題・ニーズ
近年、ヤンゴン市内では朝夕の通勤時間帯だけではなく日中でもいたる所で慢性的な渋滞が起きている。その原因としては、ここ数年で自動車の数が急速に増加したこと、あらゆる通行者の交通マナーが無規律なこと、道路や信号などの交通インフラが脆弱なこと、電車がほぼ発達していない・利便性が低いことなどが挙げられる。自動車数の急速な増加については、2015年のミャンマーの自動車(乗用車とトラック)登録台数は約71万台で、2011年から2倍に増加したとされている。
このような渋滞は、ヤンゴン市民の経済的・社会的生活に大きな影響を与えている。特に深刻なのは、渋滞によってもたらされる潜在的な経済損失であろう。例えば、ヤンゴン市内で働く人々は、毎日の通勤と帰宅に本来必要になる時間よりも数倍の時間をかけなければならない。また、仕事で市内を移動するとしても、会議や営業などの本来の仕事をする以前に、その場所にたどり着くために多くの時間をかけなければならず、それは本来の仕事に費やすことができる時間を圧迫している。したがって、ヤンゴンの慢性的な渋滞は、人々の時間と体力を無駄に浪費し、ストレスをもたらし、潜在的な経済損失にもつながっているのである。
課題に関する考察・その他
このような状況に対し、ミヤンマー政府も対策に乗り出してはいる。例えば、今はミヤンマーの大多数を占める右ハンドル車の輸入が制限され、左ハンドル車のみの輸入が許可されるという。そもそも、ミヤンマーは右側通行のため、左ハンドル車の増加はよりスムーズな交通の流れに一定の貢献をするかもしれない。ただ、年間16万台超(2014年)もの中古車を輸出している日本にとっても影響が考えられる。この他にも、路面電車の導入、道路や信号の整備、バス路線の整理などが行われている。しかし、依然として渋滞の問題は解決に至っておらず、したがってそれによる潜在的な経済損失も生じている。ミヤンマーはこれからの経済発展が期待されているが、ヤンゴンの慢性的な渋滞は発展への障害でもあり、渋滞の解決に向けた迅速な対応が不可欠であろう。
出典
http://www.gnext.co.jp/learns/myanmar/vol21.html
関連サイト
https://www.iist.or.jp/jp-m/2016/0254-1006/
https://www.irrawaddy.com/news/burma/rangoon-transport-authority-to-crack-down-on-traffic-violations.html