[世界全体] 大量の食品ロス

2017年10月19日に投稿された課題

投稿者:SHIP Secretariat

所属:SHIP

場所:地域: 国: 市町村:世界全体

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課題・ニーズ

食品ロスは世界全体にまたがる大きな課題。生産された農水産物の大きな部分が食べられることなく、捨てられている。現在の世界全体の食品ロスの25%分の食料があれば、世界中から全ての飢餓がなくなる計算。食品ロスがなくなれば、生産者から家庭までの食料バリューチェーンにおける経済的ロスが削減されるとともに、CO2排出量も削減される。

農水産物が収穫された後、市場に届く前に起こるの食品ロスは、開発途上国、先進国を問わず、主に、適切な倉庫や物流システムがないために発生しているが、とくに低所得国においては深刻な状況。国連食糧農業機構(FAO)によると、開発途上国で生産された食糧のうち30-40%は市場に届く前に無駄になっている。

市場や家庭に届いた後も、食品が腐ったり、捨てられたりしている状況は深刻。先進国においては、食品ロスの多くは物流の過程や、店舗・家庭で発生している。物流の過程で発生する食品ロスの多くは、消費者の好みや過剰な規制が原因。欧米における1人あたりの食品ロスの量は、南米や東南アジアの約10倍。

課題に関する考察・その他

食品ロスを減らすことは、無駄に使っている水の削減、無駄になっている労働力の削減にもつながる。そして、食品ロスを減らすためには、そのバリューチェーン全体で多くのイノベーションの余地がある。「コールドチェーン」の整備は食品ロスの削減において重要だが、太陽光発電を使った可動式・小型の冷蔵設備などは食品ロスを削減するイノベーションのひとつ。冷蔵設備を小型化することはCO2削減にも繋がる。

見た目に過剰にこだわらないように消費者の意識を変えることが重要だが、時間のかかるプロセスでもある。食品の消費期限がわかる「スマートラベル」の活用などは有効な手段。

今後、食品ロスの削減を積極的に進めていく意向があるのは、中東・北アフリカ地域。食品ロスが社会に与える影響の大きさを考慮しても、この地域は参入市場として有望。先進国では、北米、ヨーロッパ、南米において、食品ロスに向けたビジネスに参入しようとする意識が高いことが、GLOBAL OPPORTUNITY EXPLORERとYouGovが2015年に実施した市場調査で判明している。

出典

GLOBAL OPPORTUNITY EXPLORER (http://explorer.sustainia.me)

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参考資料