[ベトナム] 無資格者による幼児教育と教育内容に関する課題
2017年7月4日に投稿された課題
投稿者:Vu THUY
所属:早稲田大学
分野・テーマ:
- 保健・医療
- 教育
場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:ベトナム 市町村:
関連SDGs
課題・ニーズ
ベトナムは女性の就業率は高く、幼い子どもを母親以外の手で保育する仕組みが不可欠であるが、3歳未満の就園率は低い。3歳未満の子ども達の保育はどうなっているのだろうか。
まず、一般的にベトナムでは3世代以上の同居が広く見られ、祖父母が幼い子どもの面倒を見ることができる。また、それが困難な場合でも、「ファミリー・グループ」による保育が可能である。「ファミリー・グループ」とは、近隣の家族が協力し合って保育する仕組みであり、上述のような制度化された幼児教育施設とは別に組織化された個人経営託児所である。「ファミリー・グループ」の設置に特に資格は必要ないが、子育ての経験のある比較的年配の女性によって始められることが多いようである。
幼児教育施設で働く教員はほぼ全員が女性で、国が定めている資格要件 は高卒に加え2年間の養成教育を受けていることである。保育所も幼稚園も幼児学校も資格要件は同じである。このように国は資格要件を定めてはいるものの、現実には無資格で働いている人も存在する。待遇等の問題により有資格者を確保できない場合は、無資格者の雇用も事実上容認されている。近年は保育所では7割以上、幼稚園では9割以上が有資格者となっているが、無資格者もまだ多いのが事実。
保育内容は2003年から改訂されており、3歳未満は健康や基本的生活の指導、遊びが中心であり、3~5歳は遊びを通じた学習、身近な人や環境(自分自身や家族、幼稚園や村)を題材にしたテーマ学習などが行なわれている。子ども中心主義教育の導入が目下の課題である。教員養成校ではその理念は教えられているものの、実際の幼児教育現場では、教師の裁量で一方的な授業が行なわれていることが多い。