SHIPニュースレターVol.24をお届けします。【SDGs x ビジネス最新情報】では、今年の国連総会での民間セクターに関する話題を取り上げています。【From UNDP】では、「企業・事業体向けSDGインパクト基準」日本語資料をご案内していますので、ぜひご覧下さい。
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【SDGs x ビジネス最新情報】SDGs達成まで9年:いま日本の民間セクターに求められるリーダーシップ
【From SHIP】UNDPと日本企業が共同で途上国の課題を解決する「Japan SDGs Innovation Challenge」プロジェクト実施中!
【From UNDP】「企業・事業体向けSDGインパクト基準」日本語資料・説明会録画公開
【From JIN】科学技術イノベーション(STI)で地域課題を解決している取り組みを表彰する「STI for SDGsアワード」の2021年度受賞団体が決まりました!
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【SDGs ×ビジネス最新情報】SDGs達成まで9年:いま日本の民間セクターに求められるリーダーシップ
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国連のグテーレス事務総長は、2021年9月20~22日に開催された、国連グローバル・コンパクト(UNGC)主催の「Uniting Business LIVE 2021」で、「新型コロナウィルス感染症の世界的な流行や気候変動など様々な要因が持続可能な開発目標(SDGs)達成の大きな障害となるなか、民間の技術・資金・人材の活用がSDGs達成にますます重要になっている」と強調しました。この会議は毎年、国連総会期間中の民間セクターウィークに開催されているもので、今年はオンライン開催となりましたが、各国首脳、国連機関や世界中の企業関係者、起業家など7,000名以上が参加しました。
この会議では、SDGs達成に向けて民間セクターが起こすべき行動について、二つの大きな方向性が示されました。それは、SDGs達成に向けた民間セクターによる資金の流れを積極的に拡大すること、そして、次世代の成長市場であるアフリカ大陸での戦略です。
UNGCに参加する60社近くの最高財務責任者(CFO)は、SDGs達成に向けて5年以内に5,000億ドル以上の投資を行うこと、数千億ドル規模でSDGsに資する金融商品を発行することで、企業の資金調達の50%近くをSDGsに関連させるというコミットメントを発表しました。これが多くの民間企業の指針となり、その動きが世界規模で拡大すれば、多くの分野でSDGs達成のための資金調達が拡大することが期待されます。
またこの会議では、「アフリカ戦略2021-2023」が発表されました。13億の人口と3.5兆ドルのGDPを擁するアフリカは世界最大の成長市場であり、この市場における民間企業と民間セクターをどう育成するかが、ジェンダー平等、ディーセントワークと経済成長、気候変動対策などに関するSDGs達成を大きく左右すると考えられます。この戦略では、アフリカの企業がUNGCの人権・労働・環境・腐敗防止の原則に基づいて企業活動を行い、責任ある持続可能なビジネス慣行を遵守しながら、SDGsに資する事業を拡大していくことを目指しています。そのため、2023年までに、年間売上高2,500万ドル以上のアフリカの大企業の3分の1、そしてアフリカで大多数を占める中小企業の50%がUNGCに参画できるようにするという目標を掲げています。
これまで長年にわたり、多くの日本企業が独自に、また国連機関などとの連携を通じて地球規模課題に対応し、SDGsの達成に貢献してきました。しかし、Uniting Business LIVEへの日本企業の登壇はなく、UNGCの「CFOタスクフォース」に所属している日本企業は1社(SOMPOアセットマネジメント)のみです。SDGs達成に向けた世界の民間セクターの大きな動きのなかで、残念ながら日本企業のプレゼンスは低く、日本企業がSDGs達成に向けて提供してきた価値が広く共有されていない状況です。
SDGs達成期限まで9年を切ったいま、日本の民間セクターがこれまで築いてきたノウハウを共有し、国を越えて多くの関係者との連携を進めることで、SDGs達成のスピードを加速することが、いま日本企業に求められています。
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【From SHIP】UNDPと日本企業が共同で途上国の課題を解決する「Japan SDGs Innovation Challenge」プロジェクト実施中!
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SHIPコミュニティメンバーの皆様にも企業募集についてご案内してきました、「Japan SDGs Innovation Challenge for UNDP Accelerator Labs」。UNDPのイノベーション拠点であるAccelerator Labが特定したSDGsに関連する課題を日本企業の技術・ノウハウで解決するプロジェクトです。内閣府からの拠出金をもとに、UNDPが昨年度開始したこのプロジェクト推進にはSHIPのノウハウが活用され、JINが運営を支援しています。
昨年度は、インド(連携企業:NECインド)、フィリピンとベトナム(同:有人宇宙システム)、トルコ(同:ソトノバ)でプロジェクトを実施。ブロックチェーン技術の導入によるインドのスパイス取引プラットフォームの機能向上、衛生画像を活用したマニラとダナン市における河川や海へのプラスチックゴミ排出状況の把握、トルコのゴクチェアダ島における市民参加型の公共スペースの開発が実現しました。
[インド プロジェクト] >>紹介ビデオ(日本語字幕)
[フィリピン プロジェクト ] >>オンライン記事(英語)
[トルコ プロジェクト ] >>オンライン記事(英語)Facebook(トルコ語)
そして、今年度はすでにマレーシア(連携企業:AGCグリーンテック)とアフリカのブルキナファソ(同:天地人)でのプロジェクトがスタートし、南アフリカのプロジェクトでは海藻資源研究所との連携が決まりました。マレーシアでは、サバ州のコミュニティ向けの農産物・海産物の流通改善のための太陽熱乾燥機の開発、ブルキナファソでは、携帯電話アンテナ局、衛星画像、AIなどを活用した降雨情報の把握・分析とそれを農家に提供するモバイルアプリの開発、また南アフリカでは、海藻を活用した地元コミュティを巻き込んだバリューチェーンの構築を進めます。
UNDPではSDGsの達成に向けて、民間セクターとの連携を積極的に進めています。UNDPとの連携にご関心のある企業の皆様は、ぜひSHIP事務局までご連絡下さい。
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【From UNDP】「企業・事業体向けSDGインパクト基準」日本語資料・説明会録画公開
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UNDPは民間資金の流れを拡大し、2030年までにSDGsを達成するために「SDGインパクト」という取り組みを進めています。その活動の柱のひとつで、民間企業のSDGsへの取り組みを「報告と紐づけ」から「意思決定と具体的行動」へ移行させるための意思決定の枠組み「企業・事業体向けSDGインパクト基準」に関連する様々な日本語情報・資料を12月14日に公開しました。これらの内容を解説する説明会の動画も併せて公開しましたので、以下のリンクからぜひご覧下さい。
「企業・事業体向けSDGインパクト基準」説明会録画・発表資料
SDGインパクト日本語ウェブページ
プレスリリース「UNDP、市場の強い要望を受け『企業・事業体向けSDGインパクト基準』の日本語訳を発表」12月14日
日本語資料ダウンロード(リンク)
・企業・事業体向けSDGインパクト基準
・企業・事業体向けSDGインパクト基準―実践のための12の行動
・SDGインパクト自己評価ツール(企業・事業体向け)
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【From JIN】科学技術イノベーション(STI)で地域課題を解決している取り組みを表彰する「STI for SDGsアワード」の2021年度受賞団体が決まりました!
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JINも審査に携わらせて頂いている、科学技術振興機構(JST)主催「STI for SDGsアワード」。2019年度に始まり、毎年、科学技術イノベーション(Science, Technology and Innovation: STI)を用いて社会課題を解決し、SDGs達成を目指している優れた取り組みに、文部科学大臣賞、JST理事長賞などが授与されています。
2021年度の文部科学大臣賞は、東京藝術大学COI拠点による障がい者や高齢者も気軽にピアノに親しめる「だれでもピアノⓇ」、JST理事長賞は、株式会社Smoltと宮崎大学が共同で進めている「サクラマスの循環養殖による温暖化対応種の開発」に贈られました。
このアワードには、中高生・大学生を対象にした「次世代賞」も設けられており、毎年、多くの学校が応募して、地域の課題を解決したいという熱い思いを若者が語ってくれます。今年度の次世代賞には、大阪の追手門学院大手前中・高等学校 ロボットサイエンス部の「デザイン思考をもとにSDGsの課題解決を目的としたロボット開発」、そして福島県立福島高等学校の「マグネシウムとヨウ素を用いた二次電池開発」が選ばれました。
本アワード受賞をきっかけに各取り組みがさらに発展するとともに、同じような課題を抱える地域にこれらの取り組みが広がっていくことを通じて、SDGsの達成が加速することを願っています。
受賞取り組みの詳細 >>こちら