SHIPニュースレターVol.22をお届けします。【SDGs x ビジネス最新情報】では、昨今日本企業でも取り組みが進む“ビジネスと人権”について、国際的な潮流を踏まえて解説しています。UNDPやJINの最新のイベントやプログラムもご案内していますので、ぜひご覧ください。
■ CONTENTS ■===================================
【SDGs x ビジネス最新情報】
広がる「ビジネスと人権」に関する動き 日本企業に求められる行動とは?
【From UNDP】
SDGs投資・事業の世界基準「SDGインパクト」説明会
クラウドファンディング “STRONGER TOGETHER:Supporting the fishing community of Mauritius”
開催報告:「ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会」
【From JIN】
IMS学習プログラム「IMSAPスタジオ」第2期
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【SDGs ×ビジネス最新情報】
広がる「ビジネスと人権」に関する動き 日本企業に求められる行動とは?
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2013年にバングラデシュの首都ダッカ近郊で起きた、ラナ・プラザ崩落事故。多くの縫製工場が集う商業ビルが違法な増築とずさんな安全管理が原因で崩落し、1,000人以上が死亡、2,500人以上が負傷しました。縫製品の輸出高が中国に次ぎ世界第2位のバングラデシュには名だたる世界的ブランドが工場を構え、事故に対する国際的な批判は、ファストファッションを中心にアパレル企業や小売業者に向けられました。その後、同国に生産拠点を持つアパレル企業200社以上が労働者の安全のための協定に署名し、対策を講じるようになりました。サプライチェーンが国境を大きく跨ぐ今日、企業の社会的責任の範囲は広がり、ステークホルダーの人権は経営リスクに直結する非常に重要なテーマとなっています。
「ビジネスと人権」に関する国際的な議論は、ラナ・プラザ崩壊から遡ること5年、2008年に国連人権委員会に多国籍企業と人権の関係を定めた「保護、尊重及び救済の枠組み」が提出された頃に始まり、2011年には「ビジネスと人権に関する指導原則」が採択されました。これはビジネスが人権に与える影響に係る国家と企業の役割を明確にしたはじめての国際的な枠組みで、(1)国家による人権保護の義務、(2)人権を尊重する企業の責任、そして、(3)救済措置へのアクセスの三本柱で構成されています。すべての国と企業が尊重すべきビジネスと人権に関する最低限の基準を示しており、企業の役割として、人権方針の作成、人権デュー・デリジェンス(人権侵害を起こしていないかの調査・分析)の実施、そして救済メカニズムを設けて実効性を確保することが求められています。
現在では、ビジネスにおける人権遵守の重要性を浸透させる取組みが各所で広がっています。UNDPは2020年5月、企業がコロナ禍においても迅速かつ継続的に自社の人権リスクを把握し、対応していくためツールとして「人権デュー・デリジェンスの簡易チェックリスト」を発表。今年10月には、世界的なCEOが集まるWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が、企業経営を健全に保つための経営トップ向けの指針「人権に関するCEOガイド」の第二版を発表しました。11月現在、日本では4社(損保ジャパン、野村総合研究所、日立製作所、富士通)の経営トップがこれに署名し、56社が支持を表明しています。このガイドの主なポイントは、(1)自社にとって最も重要な人権を把握すること、(2)トップが率先して人権問題に取り組むこと、(3)ステークホルダーを透明性ある形でエンゲージメントさせること、そして、(4)コンフォートゾーン(居心地のいい領域)を超えて協力して取り組むことです。
こうした国際潮流を鑑み、日本政府も2020年10月に「『ビジネスと人権』に関する行動計画」を策定。この行動計画には、日本政府が2025年までに取り組む施策が分野別にまとめられているほか、ビジネスで人権を保護・促進することが日本企業の価値と競争力の向上とSDGs達成に繋がるとし、日本企業への具体的な期待も表明されています。
ビジネスと人権に関する日本企業の先進的な取組みとしては、ANAグループが2016年には独自の人権方針を策定。2018年に日本企業初の「人権報告書」を公表し、事業における潜在的なリスクの分析・評価、ステークホルダーとの対話、社員への啓発教育など、ビジネスにおける人権の課題に率先して取り組んでいます。
事業規模や業界を問わず、すべての企業にとって、あらゆる工程や活動に関わる横断的な課題である人権問題。ラナ・プラザ崩落事故のような凄惨な出来事を繰り返さないために、そして企業と社会が持続的に発展するために、日本企業においても、事業活動全般における人権に関するリスク分析、ステークホルダーとの継続的な対話、そして救済メカニズムの確保が急務です。
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【From UNDP】
申込受付中!SDGs投資・事業の世界基準「SDGインパクト」説明会
12月4日(金)午前8:00よりオンラインで開催
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UNDPは、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた民間資金の流れを拡大するため、SDGsに資する投資や事業のガイドラインや世界基準を策定し、それらの基準に適合した案件を認証する「SDGインパクト」という取り組みを進めています。
この度、SDGsに資する事業の要件を定めた「事業向けSDGインパクト基準」の第一草案が公開されたことを受け、その内容をご説明し、皆様からのご質問やご意見を受ける説明会を12月4日(金)にオンラインで開催します。モデレーターには、SDGインパクトの運営委員を務めてくださっている渋澤健氏(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役)をお迎えします。
SDGsに積極的に貢献したいと考えている企業や団体の皆様の参加をお待ちしております。
⇒「SDGインパクト」説明会 詳細とお申込み先(先着500名)
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【From UNDP】
モーリシャス漁民の生活再建にむけ、皆様のお力をお貸しください!
クラウドファンディング “STRONGER TOGETHER:Supporting
the fishing community of Mauritius”
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2020年7月、アフリカ大陸の南東に位置する島国、モーリシャスで、船舶の事故に伴う燃料油の流出事故が発生しました。美しい海は一変し、観光や漁業に大きく頼り、コロナ禍ですでに苦境に陥っていた人々に破壊的影響を与えました。海洋汚染によって漁場を失った漁民は収入源を失い、生活苦に直面。代替の収入源を必要としています。
UNDPは油流出の影響を受けたラグーンの外での漁業を可能にするために、漁民への機材と研修を提供し、生活再建を支援してきました。ラグーン外での漁業を推進することで、長年に及ぶ漁業で枯渇しかねなかったラグーン内の水産資源を再生でき、生態系を保存することもできます。
国内外の組織によって油除去と環境資源の回復に関する支援が行われる一方、漁民の持続的な生計支援のニーズは充分には満たされていません。クラウドファンディングによる皆さまからのご支援によって、モーリシャスの漁民の生活再建に向けた活動を続けることが可能になります。ぜひクラウドファンディングへのご協力をお願いいたします。
⇒クラウドファンディング詳細・寄付ページはこちらから
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【From UNDP】
開催報告:「ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会」
最優秀賞をECOLOGGIE 葦苅晟矢氏が受賞
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UNDPとシティ・ファウンデーションは、若手社会起業家がSDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献する起業のための支援プログラムとしてアジア太平洋地域では最大規模である「Youth Co:Lab(ユース・コーラボ)」を、日本で開催しました。
「ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会」には、全国および海外から約50組の応募があり、一次審査、二次審査を通過した9組がファイナリストとしてオンライン視聴者約250名の観客と審査員に向けてビジネスアイディアを披露し、様々な角度からSDGsへの達成に貢献するビジネスアイディアの中から4 組が接戦を制しました。
2020年度の活動報告および受賞チームの詳細については、こちらのページをご覧ください。
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【From JIN】
12月17日開始:イノベーション・マネジメントシステム学習プログラム
「IMSAPスタジオ」第2期:参加企業募集中!
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SHIPではイノベーションを興しながらSDGsの達成をめざしていますが、システマティックにイノベーションを興す方法論の初めての国際規格が、ISO56000シリーズ:イノベーション・マネジメントシステム(IMS)として2019年7月に発行されました。この規格づくりに日本を代表して参画してきたJINが、昨年度よりIMS実践者向けの入門プログラムとして提供している「IMSAP(Innovation Management System Acceleration Program)スラジオ」の第2期を12月から実施しますので、ぜひご参加ください。
[活動期間] 2020年12月17日-2021年3月中旬
[概要] 動画学習(20分×10本)、Zoomでの対話セッション(5回)、自社議論により構成されます。 ISO56002規格の詳細を動画コンテンツで学習し、対話セッションで他社の参加者およびJIN専門家と議論し、その理解を深めます。その後、自社チームで自社の状況把握、IMS導入準備に向けた準備を進めていただきます。
[参加をおすすめする企業]
・様々なイノベーション手法に取り組んでいるものの、成果が出ず苦労している
・イノベーションの必要性は理解しているが、何から着手すべきか苦慮している
・イノベーション推進人材の育成が急務と考えている
[お問合せ・お申込先] ims@ji-network.org
⇒詳細はこちらのページをご覧ください。