[メキシコ] 人口過密都市から追い出された貧困層の劣悪な住環境

メキシコの首都メキシコシティでは人口過密により土地価格が高騰し、収入の低い貧困層の人々は街を出ざるを得ない状況となっている。

国の都市計画に則った圏内の住宅地に住居を構えられない彼らは、郊外に出ていかざるを得ない。例えば同国政府の定義で「都市計画対象外」地区にあたるラ・クエスタには2000年以降、そうした貧困層の住民が増え続けている。しかし、そのような地域に上下水道や電気などのインフラが整備されることはない。特にその地区には地下に石油パイプラインも通っており安易に地下を掘って工事をするということもできない。

また、住居自体も自らの手で廃材や段ボールを用いて作った非常に簡素で脆弱な家屋であり、住まいとしての基本的な設備や空間条件を満たしていないものが多い。

また、貧困層は同居する家族の人数が多い傾向があるが、まともな住宅建材なしには大きな建物は作れず、極めて狭小なスペースを大人数で共有しなければならず、精神衛生的な害も受けやすい環境となっている。なお1部屋に2人以上で住むメキシコ国民は約3400万人にも上ると言われており、都市ではその比率が更に高い。

簡素な作りで、なおかる極狭小スペースでの大家族の生活は、家族一人一人のプライバシーを保つこともできず、互いにストレスを抱え、フラストレーションを為、子供たちの家出や放蕩を招き、ひいては非行に走らせる要因にもなりかねない。

都市部に住む低所得層が健康的な生活を送るための最低限の条件を備えた住環境が求められている。

2019.2.12 SHIPニュースレター [Vol.12] 2019年のSDGsビジネスを取り巻く動き:具体策とスピード感!

SHIPニュースレター[Vol.12] をお届けします。現在、科学技術成果を活用したSDGsビジネス化支援プログラムで参加企業募集、「国境なき医師団」の課題解決コンテストでスタートアップ企業からのソシューション案を募集しています。下記【From JIN】をご覧の上、ぜひご応募下さい!
 
■ CONTENTS ■ ==============================
【SDGs X ビジネス最新情報】
 2019年のSDGsビジネスを取り巻く動き:具体策とスピード感!
【SHIPプログラムご案内】
 2/19(火)SDGsビジネスプログラム【導入編】開催
【From JIN】参加企業募集中
 News 1:「科学技術研究成果を活用したSDGsビジネス化支援」プログラム
 News 2:国境なき医師団と共に鋭利な医療廃棄物処理に変革を興そう!
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【SDGs X ビジネス最新情報】
  2019年のSDGsビジネスを取り巻く動き:具体策とスピード感!
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数日前に、資産運用業界でSDGs関連ファンドに関心が高まっているという新聞報道がありました。その背景に、「環境・社会・企業ガバナンス」という3分類の「ESG投資」よりも、17目標・169ターゲットからなるSDGsは「コンセプトが明確で、商品性を伝えやすい」という理由があるそうです。
 
SDGsを巡る世界のビジネス界でも、明確で具体的な課題解決をめざす動きが活発になってきています。5年間で1600億円を投じて、プラスチックごみをなくそうとするAlliance to End Plastic Wasteには30社が集まり(日本からも3社が参加)すでに具体的な取り組みが始まっています。
 
1月のダボス会議で発表された World Business Council for Sustainable Development (WBCSD) と世界経済フォーラムが共同で立ち上げたTransforminUrban Mobilityには世界の主な自動車関連企業が集まり、より安全でクリーンな都市交通を目指した活動を始めています(日本からも4社が参加)。
 
昨年末に日本政府のSDGs推進本部が発表した「SDGsアクションプラン2019」も、2018年のアクションプランと比べて、多くの具体策が盛り込まれています。上述のプラスチックごみについても、日本は「世界全体での海洋プラスチックごみ問題の解決」を主導するとしています。
 
日本のSDGsの「8つの優先課題」の解決に向けた主な取り組みの中にも、「食料品アクセスの環境改善」「スマート農業の技術開発」「建設現場の生産性向上」「宇宙を活用した人間居住空間の実現」などイノベーション、そしてビジネスの起点となりそうなテーマが数多く挙がっています。
 
SDGs採択から4年が経つ今年9月には、初めて「SDGs首脳級会合」が開かれます。世界のリーダーが集まるこの会合で、SDGs達成に向けたいかに具体的な成果を示せるか。日本の民間セクターのアクションにもスピード感が求められる2019年になることは間違いありません。
 
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【SHIPプログラムご案内】2/19(火)SDGsビジネスプログラム【導入編】
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SDGsの17ゴールと169ターゲットを俯瞰し、イノベーションを興しながら、SDGs起点でビジネスをどう創出していくかを探るSHIPの人気プログラム「SDGsビジネスプログラム【導入編】」を今月も開催します。まだ参加されていない方は、ぜひご参加下さい!
 
[日時] 2月19日(火)19:00-21:00(+ネットワーキング30分間程度)
 
[会場] Japan Innovation Networkオフィス
   (千代田区丸の内1-1-1 帝国ホテルタワー8階)
 
[アジェンダ]
 インプットセッション(40分間)
 ・SDGsの17ゴールとターゲット
 ・SDGs達成に向けたUNDPの民間連携策
 ・イノベーションとは?イノベーションを興すプロセス
 ・SDGsはなぜイノベーションの機会か?
 ワークショップ(80分間)
 ・SDGsを俯瞰的に捉え、ビジネスとの接点を探る
 ネットワーキング(30分間)※飲み物と軽食を囲んで
 
[参加費] 4,000円+税
 
[申込方法] 
 次のサイトより参加費をお支払い(クレジットカード、もしくは、コンビ
 ニ払い)の上、お申込み下さい。 >> http://ship.peatix.com 
 
 ※現金でのお支払いを希望される場合は、「プログラム名、開催日、
  会社・組織名、ご所属・肩書、お名前、電話番号」を記載の上、
  SHIP事務局( ship@ji-network.org )に参加をお申込み下さい。
 
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【From JIN】参加企業募集中
News 1:「科学技術研究成果を活用したSDGsビジネス化支援」プログラム
News 2:国境なき医師団と共に鋭利な医療廃棄物処理に変革を興そう!
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News 1: 
「科学技術研究成果を活用したSDGsビジネス化支援」プログラム 
 
現在、科学技術振興機構(JST)では、「SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力)プロジェクト成果を活用したSDGsビジネス化支援プログラム」に参加する企業を募集しています(JINは企業公募選定支援業務を受託しています)。
 
このプログラムは、4月から1年間をかけ、日本企業とSATREPS研究者を対象に、SATREPSの研究成果を活用してビジネス化を図るために、外部専門家のアドバイスとビジネスモデル構築研修が提供され、実地調査や市場調査にかかる費用の一部が支援されるものです。
 
現在、このプログラムに参加する企業を公募していますので、下記詳細をご覧頂き、日本が誇る科学技術研究成果と自社の技術・ノウハウをマッチングさせて途上国の課題解決に繋がるビジネスを起こしたいという企業の方は、ぜひ、ご応募下さい!
 
仮応募〆切:2/15(金)、本応募〆切:3/15(金) 
 
 
【ビジネス化公募対象SATREPSプロジェクト(6件)】
– [インドネシア] におけるバイオマス廃棄物の流動接触分解ガス化・液体燃料
 生産モデルシステムの開発
(群馬大学 大学院理工学府:野田玲治 准教授)
– [タイ] における新バイオディーゼルの合成法の開発
(北九州市立大学 国際環境工学部:朝見賢二 教授)
 [ベトナム] における天然ゴムを用いる炭素循環システムの構築
(長岡技術科学大学 物質材料工学専攻:河原成元 教授)
 [ベトナム] 在来ブタ資源の遺伝子バンクの設立と多様性維持が可能な持続的
 生産システムの構築
(農業・食品産業技術総合研究機構:菊地和弘 主席研究員)
– 微生物学と水文水質学を融合させた [ネパール] カトマンズの水安全性を確保
 する技術の開発
(山梨大学大学院 国際流域環境研究センター:風間ふたば 教授)
 [南アフリカ] における鉱山での地震被害低減のための観測研究
(立命館大学 理工学部:小笠原宏 教授)
 
※プロジェクトの概要は上記「公募要領」p.16 -27 に掲載しています。
 
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News 2: 
「国境なき医師団」と共に鋭利な医療廃棄物処理に変革を興そう!
 
SHIP(SDGs Holistic Innovation Platoform)は、国際NGO「国境なき医師団(MSF)日本」のイノベーション・ユニットと連携し、MSFが活動地で直面
ている「医療廃棄物処理」の解決を目指し、コンテスト形式で世界中のスタートアップからソリューション案を募集しています。
 
MSFは、主に開発途上国における医療施設や大規模な集団予防接種の現場などの限られたスペースで、注射器などの鋭利な医療廃棄物を、いかに安全で効率的に処理できるかを検討してきました。過去には注射器のシュレッダーのような機械などが現場で試されましたが、より安全に、そして大量の鋭利な医療廃棄物を処理できるソリューションが求められています。
 
このコンテストでは、①医療施設、②大規模な集団予防接種の現場ごとに、それぞれ1つのスタートアップが優勝者として選ばれ、優勝者はJINとMSFからのメンタリングを受け、MSFの活動地においてパイロット・プロジェクトを実施する権利を得られます。
 
SHIPコミュニティの皆様からのご応募を、お待ちしています!
 
コンテストサイトは、こちら
 
応募〆切: 4月1日(月)23:59(日本時間)
 
コンテストに関するお問い合わせ:innovate@ji-network.org

2019.2.6 SHIP to launch a global startup challenge with MSF

Innovate with Médecins Sans Frontières!


Do you want to make a difference and shape the future of emergency health care? Well, here’s your chance!

Médecins Sans Frontières (MSF) and SHIP have joined forces to innovate the sharps waste management scene to reduce accidents, and make use of limited space more efficient.

We have opened a global startup challenge, where we are looking for startups with solutions applicable in either health facilities or in vaccination camps. Each scenario has its own challenges, and you can find out more at our website below!


What do we offer?
The winning startups will be rewarded with an invitation to one of MSF’s offices to develop a pilot alongside with MSF! You will get mentorship from experts in healthcare and business model development to not only test your pilot, but gain valuable insights to develop your business. 

Read more about this challenge at our website, or contact innovate@ji-network.org for any questions.

Challenge URL:  https://www.msfinnovationchallenge.org/en/challenges/innovate-with-msf