[東南アジア] 高齢化社会への対応

 日本、韓国、中国を含む東アジアは今後30年間で、世界でもっとも早く高齢化が進む地域のひとつとなる。シンガポールでも急速な高齢化が進んでいる。日本、韓国、シンガポールなどでは、高齢化社会に向けた様々な施策がとられてきたが、ミャンマー、カンボジア、インドネシアなど、高齢化がまだ喫緊の課題でない国々では、経済発展の途上で、医療・介護・予防・生活支援サービスなどの高齢化対策を打つ必要が出てくる可能性が高く、経済的・時間的な余裕を十分に確保できない恐れがある。

2018.5.23 SATREPS「科学と開発をつなぐブリッジ・ワークショップ」をSHIPが後援:参加者募集

研究プロジェクト成果のビジネスモデル化をSHIPが支援している「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム」(SATREPS)。このプログラムの実施団体のひとつである国際協力機構(JICA)が、7月30日に「科学と開発をつなぐブリッジ・ワークショップ」を開催します。

[SATREPSについて]  www.jst.go.jp/global/about.html

開発協力関係者や興味のある方々を対象に、開発途上国の課題解決に挑む研究者に直接会って頂き、新しい技術や知識に触れ、開発協力に向けて役立てて頂くことを目的に開催されるワークショップです。SHIPは昨年に続き、このワークショップを後援しています。

モンゴル、ラオス、タイ、インドネシア、ネパール、バングラデシュ、南アフリカ、ブラジル、コロンビアで実施されてきた、環境、感染症、防災、生物資源、低酸素社会分野の11の研究成果が発表されます。

参加者の募集が始まりましたので、ご興味のある方はぜひお申込み下さい!

 

[ブリッジ・ワークショップのご案内] http://www.jica.go.jp/event/ku57pq00000iocps-att/180730_01.pdf

日時:7 月 30 日(月)午前 9 時から 17 時 30 分まで

会場:JICA 市ヶ谷ビル(東京都新宿区市谷本村町 10-5)国際会議場 

参加募集対象:開発コンサルタント企業、一般企業、開発 NGO、在京国際機関、研究関係者など

参加費:無料(先着予約制)

申込方法:次の情報をメールアドレス eigst@jica.go.jp に送付願います。返信にて聴講の可否をお 知らせします。→聴講希望者の所属組織・部署、氏名、E-mail、Tel、および事前アンケートへの回答 ① 従事されている業務内容 ② 環境、低炭素社会、防災、生物資源、感染症のうち関心のある分野 ③ 業務の中で見つけた開発途上国で必要とされる研究テーマ

[スリランカ] 幼児教育の優先順位が低い

 スリランカでは2009年の内戦終結以降、毎年平均5.8%の経済成長を遂げ、現在は底中所得国として分類されています。しかし、スリランカでは人口の約4%がプランテーション(大規模農園)に住んでおり、彼らは依然として同国で最も貧しい人々の1つとなっています。実際、一般的には農園での収入は1日530スリランカルピー(約371円)となり、そこから家族2世帯(祖父母・両親・子供)を養わなければいけません。そのため、3〜5歳児が受ける幼児教育の優先順位が下がってしまいます。

 スリランカでは、基礎教育のいわゆる「学力」の重要性は認識されていますが、幼児教育で学ぶ「非認知スキル」(協調性、自信、精神的健康等)の重要性が認識されておらず、東南アジアの中で幼児教育にお金をかける国のランキングでは最下位となっています。実際、3〜5歳児の46%しか幼児教育を受けておらず、そのほとんどは高所得層になっています。

[フランス] 規格外農産物の破棄

 世界生産される野菜や果物の45%が毎年破棄されています。一方で、ヨーロッパでは約半分の人が1日に必要な量の野菜や果物を食べておらず、ビタミンやミネラル不足に繋がっています。

 このような現状を受け、フランスでは2016年5月からスーパーによる食料廃棄が法律で禁止され、廃棄される予定だった食品はフードバンクなどの援助機関に寄付されることが義務付けられています。しかし、一度店頭に並んだ食品の廃棄は減りますが、規格外野菜などの廃棄は引き続き行われています。

[全世界] 偽造医薬品の流通

 国際刑事警察機構(ICPO)によると、偽造医薬品はアフリカ、アジア、中南米の一部地域では市場の約30%を占めており、結核やマラリアの偽造薬だけで世界で年間70万人の死者が出ています。これらの偽造医薬品は、パッケージを偽造して安価な薬を高価な別の薬として売ったり、薬ではないもの(ビタミン剤など)を医薬品らしく見えるパッケージに入れて売られている。そして、単に薬が効かないだけでなく、有害物質が含まれているものや、副作用を引き起こすものもあり、命に関わる重大な問題として各国政府が対策に乗り出している。このような偽造医薬品は何らかの形で正規ルートに入り、薬局などで薬剤師や店員も偽造薬だと知らずに患者の手に渡ってしまっている。

[バングラデシュ] 洪水により子どもが学校に通えない

 バングラデシュはガンジス川、ブラマプトラ川、メグナ川という世界的な国際河川の最下流に位置し、これらの河川やその支流、分流によって形成された平坦な沖積低地からなる低平地国です。その上、バングラデシュは熱帯モンスーン気候影響下にあり、雨期である6月から9月にかけては、年間降水量の約7 0%が降ります。この雨期に、平均すると毎年国土の約3割が水につかり、1 0 年に一度の洪水では国土の約4割が堪水するとされています。

 そして、雨期の洪水による子どもたちは学校に通うことができず、最大で3ヶ月間教育が受けられない時があります。