「薬剤耐性」とは、抗菌薬の使用に伴って病原体が変化し、特定の種類の抗菌薬・抗生物質が効きにくくなる、または効かなくなることを指す。この薬剤耐性を持つ菌のことを”Superbug”(スーパーバグ)と呼ぶこともある。 現在、世界では年間70万人がこの薬剤耐性によって死亡しており、対策を一切講じなければ2050年までに1000万人の死者が出ると試算されている。
これを受け、世界保健機関(WHO)は薬剤耐性問題を「国際保健における非常に大きな脅威の一つだ」と位置付けており、2015年の総会では薬剤耐性の問題に対する、グローバル・アクション・プランが策定された。 日本政府はグローバルヘルス技術振興基金(GHIT)と「アクセスと提供に関するパートナーシップ(ADP)」という補完し合う二つのプロジェクトの支援を通じて薬剤耐性の問題に貢献することで、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ分野でのリーダーシップをとっている。