人口増加が急激に進むインド アッサム地方。このインドの極東北エリアにおいて、現在、生活人口の増加によるゴミ問題が深刻になっている。特にプラスチックごみの増加については、毎年38.86トンもの廃棄プラスチックが発生しており、紅茶の産地としても名高い当地域の自然環境にたいして、直接的または間接的に悪影響をおよぼしている。当該地域にある技術的または資金的なハードルをクリアしつつ廃棄プラスティックをリサイクルできる仕組みが必要とされている。
投稿者: 事務局SHIP
[イタリア] 米農作における害虫予防農薬の過剰使用による汚染
米はイタリアにおいて基本食物であるものの、その耕作時には環境破壊につながる問題を抱えている。深刻な不作を引き起こしかねない問題、すなわち害虫の発生を防ぐための大量の農薬使用である。 殺虫剤利用により引き起こされる環境破壊の問題は、農薬に対する抗体が生じてさらに農薬が効かなくなるという悪循環を引き起こし、環境破壊はもちろん、人体への直接的な健康被害を引き起こし、長期的に見ると農業の生態系全体の持続性をも破壊する危険をはらんでいる。 したがって、人体や環境に対する有害性、危険性を極力低減化しつつ、害虫被害を抑えて経済的痛手を被らないようにするための、米作物保護のための新たな戦略が必要とされている。
[ニジェール共和国] 砂漠化による貧困と紛争の拡大
サヘル地域では、地質上の特徴、樹木の伐採、家畜の放牧による植物の採食、農耕活動による地表面の攪乱などにより、土地の砂漠化が進んでいます。
また、このサヘル地域にあるニジェール共和国では、西アフリカ最大の民族であり農耕民であるハウサが生活していますが、村では人口の急増が進み、農耕活動に必要な農地の拡大が問題となっています。当該地域にはウシやラクダなどの飼育を行う牧畜民のフルベやトゥアレグも居住しています。牧畜民は、農耕民が所有する家畜の放牧の世話を受託したり、農耕民の農耕物を他地域で販売するなど、農耕民と牧畜民は共生していますが、毎年7月から11月までの雨季になると、牧畜民の家畜が農耕民の農作物を食べてしまうなど、農耕民と牧畜民の生活スタイルがぶつかりあうことで、紛争が発生しています。
このように、急激な人口増加と農地拡大、家畜頭数の増加、経済活動の活発化などが砂漠化を進行させており、それらと同時に土地不足による紛争も発生しています。
[カンボジア] メコン川を通じて大量のプラスチックごみが海へ
1950年代に世界でプラスチックが大量生産されるようになってからこれまでの間に83億トンのプラスチックが生産され、そのうち63億トンがゴミとして廃棄されている。プラスチックごみの9割は海に流れ着く。その多くは河川を通じて陸から海へと運ばれている。メコン川は、最もプラスチック汚染がひどい世界10大河川の一つであり、カンボジアのレストランでは、魚介類が入っていた発泡スチロールのくずが道路に飛び散っている。エビが入っていた袋はそのまま捨てられ、通行人も飲み物の容器をポイ捨てする。このようなことが日常的に起こっている。
9割以上の鳥や魚がプラスチックを食べてしまうため、食物連鎖を通じて有害な化学物質が蓄積されている。タンパク質の6割を魚から摂取するカンボジア人にとっては深刻な問題だ。
この世界的問題に対し、各国では少しずつ取り組みが始まっている。ケニア政府はプラスチックの袋の生産、販売、使用が禁止された。バングラデシュ、ルワンダ、中国でもケニアに続こうとする試みがなされている。カンボジアでも規制が変わり、スーパーのレジ袋は有料となった。EUは循環経済行動計画を採択し、2030年までに包装ゴミを75%減量し、全てのプラスチック包装をリサイクルすることを決めた。
[サハラ以南アフリカ] エネルギー需要に対する外国投資の落とし穴
サハラ以南のアフリカ各国は電気へのアクセスが35%と、世界で最も電化率が低い地域である。SDGsのゴール7に「2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスの確保」が掲げられていることも追い風に、サハラ以南のアフリカ各国への電力分野への海外投資が加速しており、同分野への開発援助資金の投入は過去10年で6倍に増加している。
外国民間企業の投資も伸びており、この地域では政府の電力への支出は25%以下にとどまっている。電力需要に対応することは非常に重要な一方で、目に見える短期的な結果を求める海外の開発援助、SDGs、民間企業による投資は同時に多くの課題も生み出している。 長期的にみた持続可能なアフリカの電力分野の発展のためには、国内の企業への機会創出を促し、かつ地方における電力アクセスの向上が求められている
[全世界] プラスチックの利用による地球の汚染
プラスチックによる環境への悪影響は、野生動物への被害のみならず、人へも深刻な健康被害をもたらす。
・世界で毎年5兆のビニール袋が使用されている
・毎年10万の海洋動物がプラスチックごみにより死亡している ・プラスチックが自然に還るには100年かかる
・世界で1分間に100万本のペットボトルが購入されている
プラスチックによる被害は大きく5つ挙げられる。
1.環境への影響 プラスチック利用のうち1/3が回収されずに放置されている。自然の中でプラスチックはなくならずに小さく分解され、100年またそれ以上残ってしまう。そして、その一部は人々の食物連鎖の中に組み込まれている。廃棄物管理やリサイクルはプラスチックを使用する上で不可欠である。
2.土壌への影響 プラスチックは主要な有毒汚染物質から成り、空気、水、土壌汚染などの環境への悪影響がある。
3.水への影響 毎年1,300万トンのプラスチックが海へ流れている。最も多い使い切りのプラスチックであるたばこの吸い殻、ペットボトルやボトルのキャップ、ビニールの包装紙や袋、プラスチックのストローや持ち帰り用の容器などが海へ流れている。
4.人への影響 プラスチックによる汚染の結果、魚や動物が有毒化し、植物連鎖を通り人への健康被害につながっている。
5.経済活動への影響 2050年までに世界中の海には魚より多くのプラスチックが泳いでいると言われている。プラスチック廃棄物による経済的被害は甚大で、プラスチックによる海洋生態系への経済損失は年間130億ドルという研究結果も出ている。
[バングラデシュ] 気候変動による自然災害の頻発と強制移住
2017年には世界で新たに1,880万人の人が荒天、洪水、森林火災等の自然災害で家を追われた。
パリ協定では、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求することが規定されている。2℃の気温上昇が起こると、低地の太平洋諸島の大半、バングラデシュの一部、そしてNY市全域が水面下に沈む可能性がある。さらに、頻繁な自然災害が起こりそれに伴って多くの人が家を追われ避難を余儀なくされる。特に太平洋諸島では住む島全域が海面下に浸かるといった危機を抱えている。
[東南アジア] 高齢化社会への対応
日本、韓国、中国を含む東アジアは今後30年間で、世界でもっとも早く高齢化が進む地域のひとつとなる。シンガポールでも急速な高齢化が進んでいる。日本、韓国、シンガポールなどでは、高齢化社会に向けた様々な施策がとられてきたが、ミャンマー、カンボジア、インドネシアなど、高齢化がまだ喫緊の課題でない国々では、経済発展の途上で、医療・介護・予防・生活支援サービスなどの高齢化対策を打つ必要が出てくる可能性が高く、経済的・時間的な余裕を十分に確保できない恐れがある。
[スリランカ] 幼児教育の優先順位が低い
スリランカでは2009年の内戦終結以降、毎年平均5.8%の経済成長を遂げ、現在は底中所得国として分類されています。しかし、スリランカでは人口の約4%がプランテーション(大規模農園)に住んでおり、彼らは依然として同国で最も貧しい人々の1つとなっています。実際、一般的には農園での収入は1日530スリランカルピー(約371円)となり、そこから家族2世帯(祖父母・両親・子供)を養わなければいけません。そのため、3〜5歳児が受ける幼児教育の優先順位が下がってしまいます。
スリランカでは、基礎教育のいわゆる「学力」の重要性は認識されていますが、幼児教育で学ぶ「非認知スキル」(協調性、自信、精神的健康等)の重要性が認識されておらず、東南アジアの中で幼児教育にお金をかける国のランキングでは最下位となっています。実際、3〜5歳児の46%しか幼児教育を受けておらず、そのほとんどは高所得層になっています。
[フランス] 規格外農産物の破棄
世界生産される野菜や果物の45%が毎年破棄されています。一方で、ヨーロッパでは約半分の人が1日に必要な量の野菜や果物を食べておらず、ビタミンやミネラル不足に繋がっています。
このような現状を受け、フランスでは2016年5月からスーパーによる食料廃棄が法律で禁止され、廃棄される予定だった食品はフードバンクなどの援助機関に寄付されることが義務付けられています。しかし、一度店頭に並んだ食品の廃棄は減りますが、規格外野菜などの廃棄は引き続き行われています。