日本では、食品廃棄物等が年間で2775万トンも生じており、その内本来食べられるにも関わらず廃棄されている食品ロスは621万トンもある。また、1101万トンの食品廃棄物は再生利用等されることもなく焼却・埋立等処分されている。
この日本の膨大な食品廃棄物問題の深刻さは、日本人1人当たりに換算すると毎日1人お茶碗約1杯分の食べ物を捨てている計算になること、一方で飢餓が原因で1日に4~5万人(1年間に1500万人以上)の人が死亡していること、年間の食品ロスが国連の年間食料援助総量(320万トン)のおよそ2倍になること、日本の食料自給率は38%しかないため大半を輸入に頼りつつも多くを捨てていることなどからわかるだろう。
食品廃棄物の発生経路としては、小売店などが設定した納品期限を過ぎていることを理由とした商慣習による返品や欠品をしないために保有して期限切れとなった在庫、印刷ミス、汚損・破損といった規格外品、新商品の発売に伴い店頭から撤去される旧商品、レストラン等の外食店では、客が食べ残した料理や製造・調理段階での仕込みすぎなど、家庭では皮の厚むきなどの過剰除去や、食べ残し、冷蔵庫等に入れたまま期限切れとなった食品などがある。
食品廃棄物の問題は、国内外の人々の食品へのアクセスに影響を与え、廃棄物処理に多額の税金を費やし、食料生産に投入された資源を無駄にするなどの影響を与えている。