インドネシアは本来多様性に富んだ伝統的食文化を有しているが、近代的なライフスタイルが普及し、大量生産された格安の食材が市場に流入するにつれて、インドネシア固有の伝統食材(米・コーヒー・スパイス・ハーブ・トロピカルフルーツ等)が価格競争に負け、姿を消しつつある。たとえば、1960年代のインドネシアでは、7,000種類の米の品種が存在したが、いまではその多くが人々から忘れ去られ、多くの消費者は数種類の米の中から購入することが当たり前になってしまっている。
また伝統食材の多くは、昔ながらの伝統的な自然農法で、小規模農家によって生産されたもので、オーガニック製品としてとてもポテンシャルがあるにも関わらず、小規模農家は市場からは遮断された状況にあり(インドネシアは1,000もの島々で構成される島嶼国家であり多くの小規模農家が物理的にも隔離された状態にある) )知識に乏しく、貧困にあえいでいる。